企業のセキュリティ対策で見落とされがちなのが「IDの保護」です。最近のサイバー攻撃は、ネットワーク侵入よりもユーザーIDの乗っ取りから始まるケースが増えています。
そこで注目されているのが、Microsoft Defender for Identityです。
本記事では、このサービスの仕組みと、覚えておきたいキーワード「ITDR(Identity Threat Detection and Response)」についてわかりやすく解説します。
Microsoft Defender for Identityとは?
Microsoft Defender for Identityは、オンプレミスのActive Directory(AD)環境を監視し、脅威を検出・対応するクラウドベースのセキュリティサービスです。
攻撃者は、権限を不正に昇格させたり、ネットワーク内を横方向に移動して重要な情報にアクセスしようとします。
Defender for Identityは、こうした動きをリアルタイムで検出し、修復アクションを実行することで、組織を守ります。
仕組みはシンプルです。
ドメインコントローラーやAD FSにセンサーをインストールし、イベントログやネットワークトラフィックを収集・解析。
その結果をクラウドに送信し、脅威検出と対応(ITDR)を実現します。
管理はMicrosoft Defenderポータルで一元化され、他のDefender製品(XDRなど)とも連携可能です。
ITDRとは?(補足)
ITDR(Identity Threat Detection and Response)は、「ID脅威の検出と対応」を意味します。
ITDRはEDR(Endpoint Detection and Response)、XDR(Extended Detection and Response)と並ぶ新しいセキュリティカテゴリで、ID保護に特化しています。
なぜ重要なのか?
最近のサイバー攻撃は、パスワードの窃取や権限昇格から始まり、ネットワーク内を横方向に移動して最終的にドメインを支配するケースが増えています。
ITDRは、この流れを止めるための仕組みです。
覚えておくべきポイント
- ID脅威をリアルタイムで検出
- 侵害されたIDを無効化やパスワードリセットで対応
- 攻撃者に悪用されやすい設定を事前に改善
Microsoft Defender for Identityは、このITDRを実現する代表的なサービスです。
主な機能とメリット
Microsoft Defender for Identityは、オンプレミスのActive Directory環境を監視し、脅威を検出・対応するために、次のような機能を備えています。また、これらの機能によって、組織のセキュリティ体制を強化するメリットがあります。
- ID体制の評価
攻撃者に悪用されやすい設定や横移動パスを事前に特定し、改善策を提示。 - 脅威検出(リアルタイム分析)
異常なログインや権限変更を検出し、攻撃の進行を阻止。 - 攻撃タイムライン
重要なアラートを整理し、調査を効率化。 - 修復アクション
侵害されたIDを無効化、パスワードリセットなどで攻撃を止める。
まとめ
Microsoft Defender for Identityは、オンプレミスのActive Directory環境を監視し、ID脅威を検出・対応するクラウドサービスです。
ITDRの仕組みを理解し、Defender for Identityを導入することで、ハイブリッド環境のセキュリティを大幅に強化できます。
ID保護は今や企業のセキュリティ戦略に欠かせない要素です。
参考リンク
https://learn.microsoft.com/ja-jp/defender-for-identity/
https://www.microsoft.com/security/blog/