個人サイトと法人サイトは何が違うのか

ホームページ制作を学び始めた頃の私は、個人サイトと法人サイトの違いをほとんど意識していませんでした。

HTMLを書き、画像を配置し、サーバーへアップロードする。制作作業だけを見れば、どちらも同じように見えたからです。

実際、個人サイトを作った経験があれば、法人サイトも同じように制作できると思うかもしれません。私自身もそう考えていました。

しかし、法人向けホームページ制作の仕事を経験する中で、その考えは大きく変わりました。

法人サイトは単なる情報発信の場ではありません。企業の顔であり、営業活動や採用活動の一部であり、ときには会社の信用そのものにも関わります。

そして、個人サイトと法人サイトには決定的な違いがあります。

それは、ホームページを利用する人と、その制作費や運用費を支払う人が別であることです。

個人サイトでは、作る人・使う人・費用を負担する人が同じであることが一般的です。しかし法人サイトでは、利用者はお客様や求職者であり、費用を負担するのは企業の担当者や経営者です。

私は法人サイト制作を続ける中で、個人サイトと法人サイトの本質的な違いはここにあると考えるようになりました。

この記事では、私自身が法人案件を通じて学んだ経験をもとに、個人サイトと法人サイトの違い、そして法人ホームページ制作で大切な考え方についてお話ししたいと思います。

個人サイトは自分で作り、自分で使う

個人サイトの場合、作る人と使う人はほぼ同じです。

趣味のブログを作る場合を考えてみてください。

何を書くか。 どんなデザインにするか。 更新するかどうか。

すべて自分で決めることができます。

利用者が他にもいたとしても、最終的な判断をするのは自分です。

つまり、

  • 作る人
  • 使う人
  • お金を出す人

が同じ人物であることが多いのです。

そのため、個人サイトは自由です。

極端な話、自分が満足していれば成立します。

法人サイトは企業活動の一部になる

一方、法人サイトはそうはいきません。

企業のホームページには目的があります。

たとえば、

  • 商品やサービスを紹介したい
  • 問い合わせを増やしたい
  • 採用活動につなげたい
  • 企業の信頼性を伝えたい

といった「目的」です。

つまり、法人サイトは企業活動の一部として存在しています。

公開したら終わりではありません。

数年単位で運用されることもありますし、担当者が変わることもあります。

掲載内容の正確性や更新体制も含めて考える必要があります。

個人サイトと比べると、求められる責任は大きくなります。

法人サイトには「目的」がある

法人サイト制作を始めた頃、私はお客様からこんな要望を受けることがありました。

「かっこいいホームページにしたい」

「他社より目立つデザインにしたい」

もちろん、それらも大切です。

しかし、それだけではホームページの役割を果たせるとは限りません。

楽器を取り扱う輸入業者であれば、来訪者は商品情報を探しています。

採用目的のサイトであれば、求職者は働く環境や会社の考え方を知りたいと思っています。

つまり、ホームページには見る人がいて、その人が達成したい目的があります。

そのため制作側は、見た目だけではなく、

  • どんな情報が必要なのか
  • どの順番で見せるべきか
  • どこに問い合わせ先を置くべきか

まで考えなければなりません。

法人サイトには常に目的があり、その目的を達成するための「設計」が必要なのです。

利用者と発注者は別の存在

私が法人サイト制作で最も大切だと思っているのは、この点です。

法人サイトには利用者と発注者が存在します。

利用者とは、実際にホームページを使う人です。

利用者と発注者は別の存在

商品を探す人。 サービスを調べる人。 問い合わせをする人。 採用情報を見る求職者。

一方、発注者とは制作費や運用費を負担する側です。

経営者であったり、担当者であったり、部署の責任者であったりします。

この二者は同じではありません。

むしろ、求めているものが異なることも少なくありません。

利用者は、必要な情報に早くたどり着きたいと思っています。

一方で発注者は、

「自社の強みをもっとアピールしたい」

「競合より目立たせたい」

と考えることがあります。

どちらが正しいという話ではありません。

それぞれ立場が違うため、目的が異なりますす。

法人サイト制作では、この異なる視点を整理しながら形にしていく必要があります。

私は、ここに個人サイトと法人サイトの大きな違いがあると感じています。

法人サイト制作は「作る仕事」ではなく「考える仕事」

ホームページ制作を始めた頃の私は、ホームページを作ることが仕事だと思っていました。

しかし法人案件を経験するうちに、その考え方は変わりました。

誰が利用するのか。

何を伝えたいのか。

問い合わせを増やしたいのか、商品を知ってもらいたいのか。

公開後は誰が更新するのか。

そうしたことを考えながら設計する方が、実際の制作より重要なこともあります。

そのため私は、法人サイト制作は「ホームページを作る仕事」というよりも、「Webサイトをプロデュースする仕事」だと考えるようになりました。

デザインや技術だけではなく、目的や運用まで含めて考える必要があるからです。

まとめ

個人サイトと法人サイトは、見た目だけでは大きな違いがないように見えるかもしれません。

しかし、その背景にいる人たちは大きく異なります。

個人サイトでは、

  • 作る人
  • 使う人
  • お金を出す人

が同じです。

一方、法人サイトでは、

  • 利用者
  • 発注者
  • 運営者

が別々の立場にあります。

だからこそ法人サイト制作では、デザインや技術だけではなく、人や目的を理解する力が求められます。

私は法人サイト制作を通して、「誰が使うのか」と「誰がお金を払うのか」を分けて考えることの大切さを学びました。

個人サイトと法人サイトの違いを一言で表すなら、それが最も本質的な違いではないかと思っています。